「スモールフット」観て来ました
こちらのブログでは、ほぼ毎週末、新着の劇場アニメを観て感想をアップしています。
今週末は本日封切の映画が3本あり、「スモールフット 」、
「ムタフカズ-MUTAFUKAZ- 」、
「宇宙の法 黎明編 」の3本です。
どれにするか迷ったのですが、今回は「スモールフット」にしてみました。
ここから先はネタバレなしのつもりですが初心者目線での感想、公式サイトの情報、劇場で購入したパンフレット、ウィキペディア、etc.に記載されている情報にもネタバレのない範囲で触れます。なので、ここから先はそれでもOKという人でお願いします。
いつものパターンですが、先に画像を貼っておきます。
パンフレットの画像はこちら。
※来場者特典はありませんでした。
※劇場売店でのグッズもありませんでした。
これで全部です。
とりあえずアップします。レビューはこのページ上で追加していきます。
面白かったです。
意外だったのは、思ったより凝ったストーリーでちょっと考えさせれるお話でした。
「スモールフット 」の見所はいろいろありますが、順番に行きます。
この作品はワーナーブラザーズ(アメリカ)の作品なので、英語音声で字幕版と日本語吹き替え版があります。
なので英語版と日本語版のスケジュールをしっかりチェックしておかないと、ものすごくタイミングがズレしまいます。英語音声-日本語字幕にするのか日本語吹き替え版にするかは早めにチェックしておく必要があります。
英語音声-日本語字幕か日本語吹き替え版にするかの決め手はこの作品の場合、2つあります。
1つ目は英語音声にこだわる=音楽(アメリカンPOP)で決めるという方法です。
もう1つは「日本語の声優さんの演技」で決めるという方法です。
まず英語音声の音楽の話から触れてみると、この作品エンディングテーマが「ワン・ダイレクション 」の「Finally Free」という曲だということです。
映画『スモールフット』ナイル・ホーラン(ワン・ダイレクション)
「Finally Free」プレミアムミュージックビデオ【HD】2018年10月12日(金)公開
www.youtube.com
この曲はエンディングテーマなので、日本語の字幕版でもラストでこの曲がかかるのですが、パンフレットには挿入歌(ボーカル曲)の解説があり、洋楽ファンには魅力的なボーカル曲がいっぱいあります。
ラップ調の曲もあるし、洋楽ファンの人はせっかくなので原作のアーティストの英語音声版のほうがいいと思います。日本語吹き替え版では日本の声優さんが歌っていますから。
この情報は先の画像のパンフレットからの引用ですが、パンフレットは720円(税込)でした。
僕はほぼ毎週、劇場アニメのパンフレットを購入しているので、劇場アニメのパンフレットの値段とクォリティーはそこそこ詳しい方です。
日本のアニメのパンフレットは価格とクォリティーがつり合っています。ですが外国の作品の場合、パンフレットを劇場販売する習慣がないのだと思いますが、時々、的外れなものがあり、この作品の場合、パンフレットはあまりお勧めできません。
ですが、巻末にボーカル曲の解説ページがあるので、マニアな洋楽ファンの人は、このページだけのために購入してもいいと思います。
普通の映画ファン、アニメファンには、この作品のパンフレットはちょっとお勧めできないです。
「スモールフット 」はミュージック・ファンタジーなので、ディズニーアニメと同じノリで、作品中で、キャラクターが歌うシーンが何箇所かあります。
※「ミュージック・ファンタジー」パンフレットより
なので、楽曲が魅力的です。洋楽ファンの人は英語音声-日本語字幕で、原作のボーカルを楽しめる方がいいと思います。
次は、もう1つは「日本語の声優さん」で決めるという方法です。
僕は、こちらのパターンで決めました。
メインキャラクターの1人、パーシー・パターソンの声を当てているのは宮野真守さんです。
※パーシーのフルネームはパンフレットより引用
「パーシーが現在やっている番組は『パーシー・パターソンの野生の世界』。~後略」
この作品では宮野さんがノリノリで歌うシーンが何箇所かあるので、宮野さんのファンの人はぜひこの作品を観ることをお勧めします。
パーシー・パターソンはお調子者の三流芸能人で、ノリノリで早口でしゃべるシーンが多いのですが、滑舌のいい宮野さんの演技は抜群ですし、スタミナ切れせずに早口のセリフから、いきなり歌い始めるシーンは日本のアニメではあまりありません。
※アフレコで編集しているのかもしませんが(笑)。
なので、宮野真守さんのファンは宮野さんの魅力をたっぷり楽しめると思います。
こちらのメイキング映像でも、かなり楽しめますよ。
映画『スモールフット』本編映像(ミュージッククリップ宮野真守ver.)
【HD】2018年10月12日(金)公開
もう1人は早見沙織さんで、早見さんはメイン・キャラクターの1人、ミーチーの声を当てています。
ミーチーも歌うシーンがあるので、歌にも定評がある早見さんのキャスティングはバッチリです。※1箇所だけだったと思います。
早見さんは歌も上手ですし、落ち着いた優しい声が定評のある声優さんなので、日本のアニメに慣れている人は、日本語吹き替え版でいいと思います。
映画『スモールフット』劇中歌「WONDERFUL LIFE」早見沙織ver.
【HD】2018年10月12日(金)公開
ちなみに、来週公開の「劇場版『はいからさんが通る 後編 ~花の東京大ロマン~ 」も宮野真守さん&早見沙織さんのコンビでワーナー作品です。このお二人は実力も人気もあるので、ワーナーの人のお気に入りの声優さんかもしれないですね。
「劇場版 はいからさんが通る 後編 ~花の東京大ロマン~」本予告
2018年10月19日(金)公開
他には、主役のミーゴの声の木村昴さん(ドラえもんシリーズ:剛田武-ジャイアン)のボーカル曲
映画『スモールフット』本編映像(ミュージッククリップ木村昴ver.)
【HD】2018年10月12日(金)公開
立木文彦さんのラップ
・「新世紀エヴァンゲリオン」シリーズ(碇ゲンドウ)
・「名探偵コナン」シリーズ(ウォッカ)
映画『スモールフット』本編映像(ミュージッククリップ立木文彦ver.)
【HD】2018年10月12日(金)公開
もあり、いつもと違う声優さんのボーカルが魅力なので、気になる人は劇場で観たら楽しいと思います。
肝心のストーリーの話もあるのですが、1回アップしておきます。
※続きはこのページで書きます。
ここから、ストーリーの話です。
まず最初に「スモールフット=Small Foot」ですから、直訳すると小さい足です。ですが、「ビッグフット=雪男」なので、雪男目線から見た人間のお話です。
なので、お話の舞台はヒマラヤ山脈周辺です。
実際映画の冒頭シーンでパーシーが自分の番組「パーシー・パターソンの野生の世界」でハエトリグモを取り上げるシーンがあり、そのときにハッキリ「ヒマラヤの厳しい環境で生きられるものはまずいません」と言っており、ヒマラヤのお話であることがわかります。
ビッグフットのミーゴが偶然、墜落した飛行機を見つけて、そのパイロットを見たことからお話が動き出します。
簡単にいうとビッグフットたちは高山の山頂付近で人間のような生活をしており、山の下の世界は知らないというお話です。
ビッグフットたちの教えでは、彼らの世界は雲の上に浮いていて巨大なマンモスの背中に乗っているという設定です。
感覚的にいうと、昔の人は人間の世界はゾウの上に乗っかっているとか、亀の背中に乗っていると想像していた、、、、というイラストをどこかで見たことがあると思いますが、あんな感じの言い伝えを信じているということです。
【Google画像検索】地球 象 亀
なので、雲から下は空っぽの世界ということになっています。
ところが、ビッグフットのミーゴが偶然、墜落した飛行機を見つけて、パイロットの人間(スモールフット)を見たことからミーゴの活躍が始まるというストーリーです。
映画『スモールフット』予告【HD】2018年10月12日(金)公開
要するに、スモールフット(人間)との出会いで、今まで信じていた世界観が崩れていくというお話です。
現実世界でも先の話のとおり、「人間の住んでいる世界が平面でゾウとか亀の上に乗っかっている」というところから始まって、測量技術の進歩により地球が丸いことや、天文学の進歩で地球が太陽の周りを回っていることを知ったときのようなことがビッグフットたちに起こるというのがメインのストーリーです。
なので、ミーゴが「スモールフット(人間)を見た」と言っただけで、大騒ぎで、まるで地動説を主張したガリレオ・ガリレイが宗教裁判にかけられた時のように村から追放されてしまいます。
ガリレオ・ガリレイ ウィキペディア
そのミーゴをスモールフットの存在を信じるミーチと彼女の仲間たちの助けを借りて山を降りるというのが序盤のストーリーです。
このシーンでミーゴは崖からロープで降りるシーンがあるのですが、CGの作品なのですが、このシーンの臨場感が抜群で高所恐怖症の人は思わず目を伏せるくらいのシーンです。
僕の個人的な印象ですが、「高いところから下を見るシーン」というのは、CGが得意としている分野の1つだと思います。
その理由の1つはセル・アニメで迫力のあるシーンを表現することが難しいという事と、もう1つは実写映像で高い場所のシーンを撮影するのはお金がかかったり、危険をともなうため撮影しにくいからだと思います。
特にセル・アニメの場合、極端なパースを付けすぎると作画が崩壊するし、「ものすごく高い場所にいる」というのを表現しようとすると、背景、etc.に特別な工夫が必要になり、ストーリーも含めて高いレベルでの演出が必要になります。
それに対して、CGの場合は何でもありです。
ちょっと前の映像ですが、このことを感じたのは来年の1月17日発売のプレイステーション4のゲームソフト「エースコンバット7 スカイズ・アンノウン 」のプロモーション動画です。
初めて観たときは「本当にこのシーンをゲームにする気か?」と思ったくらいです。
話を「スモールフット 」に戻します。
ミーゴがロープで降りるシーンで、僕は「普通に歩いて下山するのはダメなのか?」と思ったのですが、先の話のとおり「世界は雲の上に浮かんでいる」という設定があるので、「歩いて降りる(戻って来る)のは不可能」という考えが彼らにあります。
なので「帰って来る時のためも含めて、ロープで降りる(昇る)」という方法になるんだと思います。
で、、、無事(でもないのですが)に下山したミーゴは人間の町でパーシーと出会うというのが前半のお話です。
とりあえず、ここで1回アップしておきます。
続きはこのページで書きます。
ミーゴとパーシーとの出会いはいろいろなことがあるのですが、ユニークなのは「言葉が通じない」という設定です。普通のアニメでは外国人も宇宙人も全く問題なく話をするので、ジェスチャーでコミュニケーションを取るというのは、ちょっと新鮮です。
最初はパーシーとビッグフットたちも打ち解けて、付き合いが始まるのですが、、、。
ここから先はちょっとびっくりの展開ですが、ミーチのお父さんでありビッグフット(イエティという呼び方だったかも)たちの指導者であるストーンマスターが、ミーゴにスモールフットと村の秘密を教えてくれます。
これが、結構、考えさせられる話です。
実際、ガリレオの地動説の話のとおり、いろんなことが現実世界でもあります。
ビッグフットたちの言い伝えに「(ビッグフットたちは)偉大なヤクの尻から生まれた」というものがあるのですが、これも現実世界での進化論と宗教との対立のオマージュの1つだと思います。
進化論 ウィキペディア
特にお話の設定になっている場所、ヒマラヤ周辺はインドとチベット自治区(中華人民共和国 ウィキペディア )の国境付近です。パーシーたちがいる町は看板に漢字があるので、普通の日本人の感覚からすると、インド、ネパール側ではなく、何となく中国側らしい雰囲気です。
地図で確認したところ、「ヒマラヤ山脈」は西側のカラコルム山脈側がパキスタンやアフガニスタンに近いので、現実の世界では時々、紛争関連のニュースを聞く、政治的に不安定なエリアです。
ヒマラヤ山脈 ウィキペディア
Void Mark>ヒマラヤ地図 ※一般の人のブログサイトです
それに「チベット」で連想する映画の1つに、ブラッド・ピットさんの代表作「セブン・イヤーズ・イン・チベット」があります。この作品の中で中国共産党軍の進行による「チベット国」の終わりをつげる描写があり、このエリアは複雑な政治問題(=歴史問題)を抱えていることがわかります。
セブン・イヤーズ・イン・チベット ウィキペディア
ダライ・ラマ14世 ウィキペディア
チベット ウィキペディア
僕は現実の世界情勢や歴史、政治に詳しくないので、「現実って、キレイごとだけじゃ、どうにもならないよな」くらいにしか感じませんが、ストーンマスターの言いたいこともわかります。
このアニメのすごいのはストーンマスターが、ただの頑固者ではなくて、ミーゴに少しづつ真実を打ち明けてくれるところです。
最後は子供向きのアニメらしくハッピーエンドですが、せっかく、ここまで描写したのなら、もう少し大人の世界に踏み込みんだ形のハッピーエンドでも良かったように思いますが、、、、。
このあたりは完全に好みです。
ハリウッドの作品らしく、理想的なハッピーエンドになっているので、子供と一緒に観てもいいし、カップルで見ても楽しいと思います。
ということで、今回は以上です。