「劇場版 マクロスF 虚空歌姫~イツワリノウタヒメ~」を観ました
追加:画像を追加しました
こちらのブログでは、ほぼ毎週末、新着の劇場アニメを観て感想をアップしています。ですが今週末は新作の上映がありません。
なので、旧作で公開は2009年11月21日の作品ですが、今回は「劇場版 マクロスF 虚空歌姫~イツワリノウタヒメ~ 」を観て、レビューを書くことにしました。
この作品にした理由は新作「劇場版マクロスΔ 激情のワルキューレ 」が来週公開で、いろんな話題で盛り上がっているからです。
なので、前作の「劇場版 マクロスF 虚空歌姫~イツワリノウタヒメ~」を観てちょっと振り返ってみたいと思います。
ということで、いつものとおり、ここからはネタバレなしのつもりですが初心者目線での感想、公式サイトの情報、ディスク版の情報には触れます。あとウィキペディアに記載されている情報にもネタバレのない範囲で触れます。なので、ここから先はそれでもOKという人でお願いします。
「劇場版 マクロスF 虚空歌姫~イツワリノウタヒメ~ 」ですが、この作品は劇場版2部作の前編です。なので、後編「劇場版マクロスF恋離飛翼 ~サヨナラノツバサ~ 」もあるのですが、ここでは「イツワリノウタヒメ」の話に限定しておきます。
マクロスフロンティアの世界観は以下の通りです。
ゼントラーディとの戦争の後、人類は新天地を求め銀河の各方面に進出した。「西暦2059年、25番目の巨大移民船団マクロスフロンティアは銀河の中心宙域い向けて大公開を続けていた」
というのがお話の設定です。
要するに、お話の舞台は巨大移民船の中です。デルタの場合は「惑星アルシャハル」が主な舞台ですので、そこが違います。
とはいえ「巨大移民船」です。なので街中のシーンなどは宇宙を意識することなく、普通の高校生の日常を描いています。
特に印象が強いのが、巨大移民船フロンティアの街並みのモデルがサンフランシスコだったことです。そのため街には路面電車があり、坂道の多い風景になっています。僕は公開時に劇場で観たので、大きな画面で観る街並みの美しさは大迫力で「劇場に来て良かった」と本気で思いました。
主人公は高校生の早乙女アルトで、ヒロインは2人居て、シェリル・ノームとランカ・リーです。アルトとヒロイン2人との三角関係の恋愛をお話の中に織り込みながら、SFのお話や戦闘シーンが進行するというのが、フロンティアのメインのストーリーです。
ヒロインの1人シェリル・ノームは「銀河の妖精」といわれる、大人気アーティストで、もう1人のヒロインのランカは彼女にあこがれる高校生(アルトの同級生)という設定です。
ヒロイン2人の設定だけでも、強烈なインパクトの作品なのですが、負けてないのがアルトです。
早乙女アルトは歌舞伎の名門、早乙女一座の一人息子で、元・歌舞伎の女形(おやま)だったというユニークな設定です。
参照:女形(おんながた / おやま) ウィキペディア
参照:劇場版 マクロスF ウィキペディア
お話を面白くするために、個性的な主人公は必要不可欠です。
ですが、フロンティア以前のマクロスシリーズの主人公や、最新作「デルタ」の主人公ハヤテ・インメルマンと比べてもアルトの設定は突出していると思います。
アルトの設定が誕生した裏話は、少女マンガ「シェリル~キス・イン・ザ・ギャラクシー~(1) (別冊フレンドコミックス) 」1巻の巻末に、河森正治さんがインタビューに答える形で以下のように話してらっしゃいます。
アルトは男の娘★ |
こんな表紙です
シェリル~キス・イン・ザ・ギャラクシー~(1)
(別冊フレンドコミックス) Kindle版
軽くまとめると、以下のような理由なんだと思います。
1)過去作の熱気バサラが男っぽくて超個性的だった
↓
前作の主人公バサラと比較されても埋もれない主人公でないとダメ
2)シェリル・ノームとランカ・リーという2人のヒロインがいる
↓
2人とも美人、可愛い、etc.、魅力的なキャラクターなので同じ画面の中にいても、存在を主張できるくらいの個性的なキャラでないとダメ
ということで悩んだ結果、生まれたのが「宇宙パイロットに一番ミスマッチな歌舞伎の女形」ということのようです。
実際、回想シーンの中でアルトが歌舞伎の女形のとして舞台で舞うシーンが少しあるのですが、人気アーティスト、シェリルのステージとは全く違う、日本的な美しさがあります。
訂正:
舞うシーンは後編「劇場版~サヨナラノツバサ」でした。
「劇場版~イツワリノウタヒメ」の回想シーンでは女形ですが舞はありませんでした。
回想シーンはこんな感じです。
ちなみに、子供時代のシェリルがアルトの舞台を観に行くシーンが後編「劇場版~サヨナラノツバサ」にあります。このシーンの美しさ、眩しさはシェリルでさえ舞台や周りの雰囲気に見とれて、唖然とするくらいです。
キャラの話ばかりになってしまいましたが、マクロスの魅力はいうまでもなく戦闘シーンです。
詳しい人にバルキリーの話を聞いたら、キリがないほどいろんな話をしてくれます。
なので、ここでは「マクロスF ゼントラ盛り Blu-ray Box 」のSPECIAL DISCからの話をしたいと思います。
河森監督がバルキリーのデザインをブロックで作るというのは有名な話で、レゴだと思うのですが、ブロックで作っています。
※記憶があいまいなのですが、この話は他のディスクでもあったと思います
それからCGで作画するらしいのですが、CGIチーフディレクターの八木下浩史さん、GIプロデューサー橋本トミサブロウさんがモデリング後にアニメにした時の話をしてくれています。
テレビ版の「#1:クロース・エンカウンター」で、VF25をバジュラが迎撃するシーンで、VF25がスーパーパック、etc.の装備を全部外すシーンがあります。その時に、初めてバルキリーのシルエットが見えるですが、お二人ともこのシーンは感無量だったという話をされています。
このシーンですね。
ちなみに、手描きの質感を追加したり、CGに足りない部分を描き加えるメカニカルアート(特殊効果)という作業もあるそうです。天神英貴さんという方がこの話をして下さっているのですが、ブラシで(=デジタルの)質感をつけて、CGにない立体感をつけたりして、CGとセル画の違和感をなくす作業らしいのですが、聞くからにして大変な作業です。
こういう人たちのおかげで、画面のキレイさ、迫力は凄くて、見たことのない人には、ぜひ、見て欲しいと思います。
ここで、主要なキャラクターと声優さんを、まとめたところ以下の通りです。
ルカ・アンジェローニ:福山潤
オズマ・リー:小西克幸
ブレラ・スターン:保志総一朗
ボビー・マルゴ:三宅健太
レオン・三島:杉田智和
※敬称は省略しました。
このラインナップだけでも、ものすごく豪華なのですが、先の「マクロスF ゼントラ盛り Blu-ray Box 」のスペシャルディスクにびっくりするような話があります。
それはミハエル役の神谷浩史さんの話です。
なんと、神谷さんは早乙女アルト役でオーディションを受けていたそうです。しかもオーディションの合格は中村悠一さんから、「俺と神谷さん入っていますよ」言われたそうです。
その数日後に、事務所から「別役ですけれど、神谷さんにお願いすることになりました」と言われ、その時にミハエル役に抜擢されたことを聞いたそうです。
その時に、「まず、バルキリーに乗るのかというところが気になるところで、『乗る』言われて、『やった!』と思いましたね」と語っています。
ちなみに神谷さんは気さくな方で、声優さんのいろんな話をして下さっています。神谷さんのような有名な声優さんでも、オーディションに四六時中落ちていて、「10回受けて1回受かるかどうか。」だという話をしてくれたことがあります。
この話は有名な話で、今でも「LivedoorNews 」に掲載されており、以下のリンクで見ることが出来ます。
先に触れたとおり、「イツワリノウタヒメ」は前編で後編は「サヨナラノツバサ」です。ですが、「イツワリノウタヒメ」のエンディングが見事で、物語としてすごくキレに終わっており、後編の「サヨナラノツバサ」に、どうやってつなげるつもりだと思うくらいです。
なので、「劇場版マクロスΔ 激情のワルキューレ 」を待ちきれない人や、友達に「マクロスに詳しい」ということで、ちょっぴり自慢したい人は、「劇場版~イツワリノウタヒメ」だけでも、この機会に観てもいいと思います。ディスクを買ってもいし、TUTAYAのレンタルでもいいですね。
無料ではありませんが、バンダイチャンネルの配信を貼り付けておきますね。
通常版
HD版
【劇場版 マクロスF ~イツワリノウタヒメ~ [Blu-ray] 】 | 【劇場版 マクロスF ~サヨナラノツバサ~ [Blu-ray] 】 |
最後に、触れておいた方がいいことが1つあります。それは「『フロンティア』は本当はもっと盛り上がって、もっと大ヒットしたはずだ」ということです。
マクロスファンで「フロンティアは十分ヒットしたし、盛り上がったのでは?」と思っている人がいたら、その人は大事なことを忘れています。
それは劇場版フロンティアの後編「 劇場版マクロスF恋離飛翼 ~サヨナラノツバサ~ 」の公開が 2011年2月26日(土)だったことです。日本人なら、この意味がわかると思います。
2011年(平成23年)3月11日(金)に東日本大震災があり、同日に福島第一原子力発電所の事故もありました。
参照:東日本大震災 ウィキペディア
僕はフロンティアが好きなので、この時のことをよく覚えています。
2011年3月11日というのは「劇場版~サヨナラノツバサ~」の公開から2週間後の金曜日です。つまり劇場公開のたった2週間後に東日本大震災があり、同日に福島第一原子力発電所の事故もありました。
なので、世の中全体がアニメを楽しむような雰囲気ではなくなってしまいました。こんなことがなければ、もっとヒットしたし、もっと盛り上がったと思うとすごく残念で、悔しい気持ちでした。
今も、いろんなことがありますが、幸いにもあの時のような悲惨な状況ではありません。
今、アニメが楽しめて、来週に劇場で「劇場版マクロスΔ 激情のワルキューレ 」を観れることを、本当に楽しみにしているし、いろんなことに感謝しています。
最後にシリアスな話になってしまいましたが、今からでも、いろんな人がフロンティアの良さを知って、楽しんでくれればうれしいです。
そして何より、来週の「劇場版マクロスΔ 激情のワルキューレ 」が楽しみですね。
追記
東北の地震、津波、福島の原発事故、etc.で災害にあわれた方に、心よりお見舞い申し上げます。
当時の「ヤシマ作戦」ではありませんが、ちょっとでも早く復興、及び、原発事故の収束が出来るよう、心よりお祈り申し上げます。
参照:【ピクシブ百科事典】ヤシマ作戦
僕は地元が大阪です。なので、ちょっと前に、阪神・淡路大震災 の追悼番組があり、思い出してしまいました。今回、ラストが暗くなってしまいすいません。
※今、気が付いたのですが、今回、画像が少ないです。
あとで、何か貼っておきます。
追加:
画像を貼って読み返しみたのですが、肝心のシェリルとランカのステージのシーンの話がないですね(笑)。
ものすごくキレイなシーンでみんな満足すること間違いなしなので、このシーンはぜひご自身で「劇場版 マクロスF 虚空歌姫~イツワリノウタヒメ~ 」を観て、楽しんで下さい。
明日はまた何か、他の話をしてみたいと思います。
ということで、今回は以上です。